どうして育休延長の審査が厳格化されるの?
落選狙いで保育園の入所申請をする事例を減らすためなんだって。
現在育休取得中の私たち夫婦は、「育休延長の審査を厳格化へ」というニュースに結構衝撃を受けました。
厳格化とはいったい??
同じく育休中の皆様にとっても、詳細が気になるところですよね。具体的に何が変更となったのか、分かりやすくまとめました。
審査の変更点
自治体から発行される「入所保留通知書(不承諾通知書)」に加えて、「本人が記載する申告書」と「保育所に提出した申込書の写し」の提出が求められることになります。
これらの書類をもとに、育休の延長が適当かハローワークが審査するという流れです。
新たに審査の対象となる書類については、ここをクリックしてね
現行の手続き
育児休業の取得期間は、原則子どもが1歳に達するまでとなっています。
ただし、子どもが1歳に達してもやむを得ない理由がある場合は、1歳6ヵ月まで、2歳までと最大で2回育児休業が延長できます。
やむを得ない理由とは、以下のような場合です。
- 保育所等の利用申込を行っているが見つからない
- 子供を養育する者が死亡や怪我、病気等で養育が困難
- 婚姻の解消等で子供を養育する者と別居になった
- 新たな妊娠により6週間以内に出産予定、または産後8週間を経過しない
この記事では、「1.保育所等の利用申込を行っているが見つからない」場合の延長申請について解説しますね。
提出書類 入所保留通知書(不承諾通知書)
入所保留通知書(不承諾通知書)とは、自治体から発行される「申込した保育所に入所することができない」という通知のことです。つまり、入所希望の申込をしたけど審査の結果落選した場合に発行されるもの。
残念ながら落選してしまった場合には、入手した入所保留通知書をハローワークに提出して育児休業給付の延長を申請できるといった流れになります。(実際には勤務先を介して提出することになります)
ここで重要なのは、希望をすれば入所保留通知がもらえるわけではないということです。
しかし、入所保留通知を提出することで、通常1歳までのところを最大2歳まで育児休業給付を受けられるため、わざと倍率の高い保育所に応募して落選を狙うケースが増えているのです。
変更後の手続き
落選狙いの入所申請に歯止めをかけるために、入所保留通知書に加えて下記の書類の提出が求められるようになり、審査が厳格化される流れとなりました。
追加書類① 本人が記載する申告書
合理的な理由もなく自宅や職場から離れた保育所のみに申し込んでいたり、入所申込が1歳の誕生日よりも遅れていたりする場合は、落選狙いの疑いがあると判断される可能性があります。
追加書類② 保育所に提出した申込書の写し
「落選を希望する」旨の意思表示を行っていないことを確認する意図があります。
抜け道はあるか?
【資料1-2】雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案概要(育児休業給付関係)ーhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38530.html
車で30分以内
画像を見ると、遠隔地の定義は「利用予定の交通手段による自宅または職場からの移動時間が30分以上となっていること」となっています。
車で30分以内で行ける距離であればセーフのようですね。つまり、車で30分圏内の超人気園を1つだけ書くのはOKということになります。
「育休延長も許容できる」にチェック
画像には、『「希望する保育所等に入所できない場合は、育児休業の延長も許容できる」などの表現は、入所保留となることを希望する意思表示には当たらない』と記載があります。
自治体によって、こういった文言のチェック項目があり、これにチェックを入れると利用調整のランクが下がるという制度を設けている場合があります。
例えば、次の画像は横浜市の保育所利用申請書です。
利用申請書(保育所等用)https://www.city.yokohama.lg.jp/kosodate-kyoiku/hoiku-yoji/shisetsu/riyou/hoikuriyou/r6hoikuriyou.files/R6riyoushinnseisyo.pdf
育休の延長を希望している場合、ここにチェックを入れて提出することになりますが、このような表現は入所保留を希望する意思表示には当たらないということなので、チェックを入れたからといって落選することはありません。
「落選狙い」は不正なのか?
落選狙いで保育所に利用申込をすることは不正なのでしょうか?
保護者側にも自治体側にもそれぞれ事情があるようです。
自治体の事情
入所意思がない人への対応に時間が割かれる
入所保留通知をもらうために入所申込を行う人が増え、自治体の対応が増えている現状があります。
そもそも育休の延長は、どうしても保育所に入れないために職場復帰ができない保護者への救済措置なので、育休延長のために保育所に入れないようにするというのは本来の意図とは全く逆になってしまっていますよね。
意に反して入所が内定した者からの苦情対応に時間が割かれる
入所保留通知をもらうために倍率が高い保育所に申し込んだのに、意に反して入所が内定してしまったと苦情を言ってくる保護者もいるようです。
本来必要ないはずの業務に時間が割かれてしまっているんだね
保護者の事情
我が子の成長を見守りたい
可愛い我が子を1歳で保育所に預けるのは寂しい、と思う保護者の気持ちもわかりますよね。
そもそも育児休業が原則1歳までというのは短すぎるような気もします。
希望の園に入れないなら入園させたくない
保育所の激戦区では、人気の保育所は年度途中では入りにくく、4月入所でないと入りにくいという現状もあります。
そのため、子供が1歳になるタイミングではあえて落選し、翌年4月に希望の保育所への入所を目指したいという保護者もいるようです。
大切な我が子を預けるのですから、安心できるところに預けたいと思うのも当然です。
保活は思いのほか厳しいのが現状だよ
最後に
私が住んでいるのは保育所超激戦区なので、希望するタイミングで希望の保育所に入れるような状況では全くないです。しかも12月生まれというとても不利な状況なのです・・・。
まずは、何月生まれの子供でも平等に入所しやすい環境を整えてほしいものだなと思うのが正直なところ。
保活は情報戦なので、今後も最新の動きをしっかり追っていきたいと思います。
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